警備会社におけるM&Aの売却・買収について!動向やポイントなどを紹介

「警備会社におけるM&Aの動向はどのようなものなの?」
「警備会社でM&Aを実施するメリットは何があるの?」

昨今、警備会社業界において警備員の人材不足が問題視されており、売り手側と買い手側双方が今後の経営に関して不安を抱いています。

警備会社においてM&Aを実施することで、買い手側と売り手側の間にシナジー効果が発生し今後の収益を期待できるかもしれません。

この記事では、警備会社におけるM&Aの動向、経営者にとってのメリット、M&A業者の選定方法、M&A事例などを詳しくご紹介します。

本記事を読んで、M&Aを検討する際のご参考になれば幸いです。

1.警備会社のM&A動向

警備業法上警備業は、生命や身体、財産への侵害を警戒・防止する業務のことを指し警備業界には、施設巡回警備、交通・雑踏警備、貴重品警備、身辺警備があります。

1964年度に開催されたオリンピックに伴い警備業界の認知が拡大し、その後の高度経済成長によるビルの建設における施設警備の需要が増加しました。

警備員の増加により警備員が窃盗を働くなどの不祥事も発生したものの、その後機械警備が注目されました。

昨今では、震災時の警備員出動により被害が軽減されたことやオリンピックでの警備員の活躍によって、さらに警備業界への注目が高まっています。

警備業界ではM&Aが盛んに行われており、イベント会社や介護福祉などでシナジー効果が生まれると期待されています。

同業種M&Aもあり、M&Aの利点である警備員を引き継げる点で早急に人材確保ができることが注目されている。

2.経営者にとってのM&Aのメリット

現在M&Aは、人材確保や財政基盤の強化などの問題を解決する方法の一つとしても注目されており、売り手側・買い手側の企業双方にとってメリットをもたらすと言えます。

具体的なメリットを順にご紹介します。

(1)売り手側企業のメリット

まず、M&Aによる警備会社の売却・事業譲渡のメリットをご紹介します。

(a)将来の営業利益を先に手に入れられる

M&Aによって、譲渡・売却後の将来の営業利益を先に手に入れられるというメリットがあります。

仮に会社が倒産・廃業するとなると、土地や会社の資産は大幅に減額され想像以上にコストがかかる可能性があります。

しかし、M&Aを実施することで土地や会社の資産を時価価格で売却・譲渡することができます。

また、土地や建物などの有形資産はもちろん人材のスキル、技術力、取引先、市場シェアなどの無形資産も評価されるため、将来の営業利益に加え高額な価格で売却できる可能性があるのです。

特に警備員未経験者には15時間の研修が必要であり、採用後早急に現場へ向かうことができないため、既に研修を済ませた警備員がいる警備会社の評価は高いと言えます。

経営者の方は、獲得した利益を新事業の立ち上げや引退後の生活費などご自身が望む形で利用できるのです。

(b)連帯保証が解消される

M&Aをすることのメリットとして、連帯保証が解消され精神的なストレスから解放されることが挙げられます。

会社を買い手側に丸ごと手渡す会社売却・事業譲渡では、売り手側の持つ債務も買い手側へ引き継がれることになります。

なお、M&A後確実に連帯保証を外すためには、M&A最終契約時にその旨を記載する必要があります。

また、経営者個人が金融機関などから融資を受ける目的で個人保証などを結んでいた場合も、会社売却と同時に解除されるのです。

このように、M&Aで会社売却・事業譲渡をすることで連帯保証から解放されるのです。

(c)社員の雇用が守られる

警備会社におけるM&Aの売り手側のメリットとしては、社員の雇用が守られることが挙げられます。

特に中小企業の警備会社の中には、経営状況が思わしくなかったり、経営状況は良いものの後継者がいないことで倒産や廃業を懸念しているところも少なくありません。

仮に会社が倒産や廃業になってしまった場合、そこで働く従業員は雇用を失ってしまいます。

M&Aを実施することで、大手警備会社に自社を売却・事業継承することで社員の雇用を守ることができるのです。

(d)経営の不安から解放される

M&Aを利用して自社を売却・事業譲渡することで、経営の不安から解放されることができます。

昨今、警備会社の経営者の高齢化や人材不足などが問題視されており、経営難に陥り廃業してしまう警備会社が増加しています。

警備員の需要は高まる一方で、常に従業員のことや経営のことを考えるのは、精神的なストレスが大きいと思います。

M&Aを実施することで、それらの経営の不安から解放され負担も軽減されるでしょう。

(e)グループ傘下へ参入できる

警備会社がM&Aを利用して大手警備会社の子会社となると、大手企業の保有する経営資源を活用することで売上を向上させることができます。

M&Aで大手企業のグループ参加へ参入すると、その企業が持つブランドや営業力を自社に取り入れることができます。

さらに、異業種の大手企業に自社を売却・事業譲渡しシナジー効果が発生することで、今後の売上や顧客の増加を期待できるでしょう。

M&Aのメリットには、大手企業のグループ参加へ参入することで自社の売上向上を期待できることが挙げられます。

(2)買い手側企業のメリット

M&Aにおける買い手側企業のメリットは主に2つあります。

順にご説明します。

(a)ノウハウ・事業を素早く手に入れられる

警備会社におけるM&Aの買い手側のメリットは、ノウハウ・事業を素早く手に入れられることです。

例えば、警備事業には警備員やセンサー等の機械警備のための設備など、必要な経営資源があります。

M&Aを実施すると、これらのリソースを素早く手に入れ新規参入にかかるコストや労力を削減できます。

また、警備会社の買収においては警備事業のノウハウや売り手側が持つ顧客も獲得することができるのです。

このように、警備会社においてM&Aを実施することで買い手側は低リスクかつ早急に、売り手側が持つノウハウ・事業を手に入れられます。

(b)ニーズに合った人材を確保できる

警備会社におけるM&Aを利用する買い手側のメリットとして、ニーズに合った人材を確保できる点が挙げられます。

現在、警備会社業界では慢性的な人材不足が問題となっており、警備員の需要は高まる一方です。

また、警備員未経験者には15時間の研修が必要となっており、採用してもすぐに現場へ投入することができません。

人材確保という意味でも、研修を済ませている警備員を引き継げることは買い手側にとってメリットがあると言えます。

また、警備会社と他業種のM&Aにおいても不動産業や介護福祉などのシナジー効果が昨今期待されており、ニーズに合わせた人材を確保できるのです。

3.警備会社のM&Aの相場

警備会社のM&Aにおいては、大手警備会社と中小の警備会社で企業価値や買収の相場が大きく異なります。

セコムやALSOKなどの大手警備会社は黒字が続いていますが、中小の警備会社は財務基盤が不安定な場合が多く、設備投資があまり十分ではないケースもあります。

そのため、実際のM&Aの相場は売り手側と買い手側の相乗効果や交渉によって変動があります。

4.警備会社がM&Aで高値で売却するためのポイント

警備会社がM&Aを利用して、自社をより高額で売却するためには主に4つのポイントを意識するといいでしょう。

順にご紹介します。

(1)警備スタッフの離脱を防ぐ

警備会社がM&Aにおいて自社をより高い金額で売却するためには、警備スタッフの離脱を防ぐことが重要です。

現在、警備員の需要が高まる一方で警備会社業界では人材不足が問題視されているため、同業種からも異業種からも警備員の人材確保を目的としたM&Aが実施されています。

人材不足が問題となっている同業他社からは、警備員経験者の増員を実現させるためにM&Aを利用するでしょう。

また、異業種からも早急に警備事業のノウハウを取り入れることはメリットと言えるため、警備スタッフの在籍は重要です。

警備会社がM&Aで高値で売却するためには、警備スタッフの離脱を防ぐようにしましょう。

(2)収益予測値を検討する

警備会社がM&Aにおいてより高い金額で売却するためには、収益予測値を検討することを推奨します。

M&Aにおける買い手側は、M&A後のリスクをできる限り減らしたいと考えており、将来的に利益が見込めないと判断された場合は低価格で買収される可能性があります。

売り手側は、自社の将来収益予測値を検討することでより高額で自社を売却することができるのです。

例えば、自社の競合他社と比較して競合優位性のある部分を念頭に収益予測値を検討すると、買い手側としても売却先候補として検討がしやすいでしょう。

このように、M&Aにおいて警備会社がより高額で買い手側に買ってもらうには、明確な収益予測値を検討することが重要です。

(3)買い手企業とのシナジーを検討する

警備会社がM&Aを利用して買い手側に高値で売却するには、自社と買い手側とのシナジー効果に着目しましょう。

例えば、自社の事業資産や技術力、警備員という人材など買い手側が持っていないであろう部分があると、交渉をする際に強みとなります。

同業者の場合も、慢性的な人材不足により警備員の増員を目的としている場合はスキルを持つ警備員の在籍がポイントとなるでしょう。

他業種の場合でも、買い手側が求めるニーズを知り、シナジー効果を検討することでより高額で自社を売却することに成功するでしょう。

M&Aを実施して高値で自社を買ってもらうためには、描いて側のニーズに合わせてシナジー効果を検討することを推奨します。

(4)安定した収入源を確保する

M&Aにおいてより高い金額で警備会社を売却するためには、安定した収入源を確保することを推奨します。

例えば、自社の長期間にわたる取引先や自社独自の顧客リストなどがあると、安定した収入を確保できることが証明できます。

さらに、自社独自の顧客リストは他社にない顧客が存在することもあり、買い手側にとって魅力的であると言えます。

M&Aにおいて買い手側は、M&A後のリスクを限りなく削減したいと考えているため、安定した収入源を確保することはより高値で自社を売却する上で重要です。

警備会社のM&Aを検討している場合は、安定した収入源を確保し買い手側との交渉の際もその点をアピールするといいでしょう。

5.M&A業者を選定するポイント

警備会社におけるM&Aを成功させるためには、自社にとって適切なM&A業者を選定する必要があります。

自社のニーズに合ったM&A業者を選ぶにはどのようなポイントを確認するといいのかを順にご紹介します。

(1)同業種・同規模で実績があるか確認する

自社のM&Aをスムーズに成功させるためには、同業種かつ同規模で実績のあるM&A業者を選ぶことを推奨します。

M&Aを利用する会社には様々な業種があるため、買い手側により高い値段で買い取ってもらうためにはそれぞれの会社が必要とするニーズを満たす必要があります。

例えば、警備員の需要が高まる一方で人材不足が問題視されている昨今では、買い手側が求める資源を自社が持っているかをアピールすることが重要です。

同業者で実績のあるM&A業者であれば、どのような交渉をすれば相手へ明確にアピールできるかを認知しています。

また、警備会社には大手警備会社と中小警備会社で企業価値が大きく異なりますので、規模感が違えば交渉方法なども変動します。

様々なケースのM&Aを担当したことのある業者の依頼することで自社が望むM&Aを実施することができるでしょう。

(2)仲介以外の業務領域を支援してもらえるか確認する

自社のニーズにあったM&A業者を選定するポイントとして、仲介以外の業務を支援してもらえるかどうかを確認することが挙げられます。

M&A業者は主に、売り手側と買い手側の企業を仲介することですので、価格算定などは仲介の業務ではありません。

しかし、M&Aを進めていく上で買い手側へより高額へ売却するための工夫などを知りたいはずです。

経験豊富なM&A業者であれば、このような工夫や適切なアドバイスができるでしょう。

そのため、仲介以外のアドバイスや株価算定といった業務の支援、買い手側へ価値評価の助言を行うことなどの支援があるかどうかを選定の軸に置くといいかもしれません。

(3)費用体系を確認する

警備会社でのM&Aを業者に依頼する場合は、費用体系を確認するといいでしょう。

M&A業者によって、着手金が無料であったり、成功報酬のみであったり、月額報酬であったりと費用体系は様々です。

分類

M&A業者の報酬体系例

着手金

・業者へ正式な依頼を行った時点で支払う
・着手金相場:0〜300万円程度

中間金

・一般的に基本合意書の締結時に支払う
・中間金相場:固定報酬の場合、成功報酬の10〜30%の場合

成功報酬

・M&Aの最終契約締結時に支払う
・成功報酬相場:売買契約の1〜5%(レーマン方式*)

月額報酬
(リテイナーフィー)

・毎月定額で支払う
・月額報酬相場:0〜100万円程度

*レーマン方式とは、買収価格のレンジによって手数料率が変動する計算方法を指します。

以下が、一般的なレーマン方式による手数料率です。

  • 5億円まで ・・・5%
  • 5〜10億円まで ・・・4%
  • 10〜50億円まで ・・・3%
  • 50〜100億円まで ・・・2%
  • 100億円超 ・・・1%

なお、ユニヴィスでは上述のレーマン方式を採用しており、最低報酬金額の設定はありません。

同業他社が最低報酬金額の設定を行っており、売却金額によっては手数料が高いと感じられるケースもありますが、ユニヴィスではそういった最低報酬金額の設定が無いため、単純な売却金額に対する比率のみで進めることが可能です。

また、報酬金額はご依頼者様の案件の内容に応じて相談を実施させていただいております。

自社にとってどのような費用体系が最適かどうかを判断し、それに合ったM&A業者に依頼することをおすすめします。

(4)スピード感のある対応かどうかを確認する

警備会社におけるM&Aをスムーズに進めるためには、スピード感のある対応ができる業者を選定することを推奨します。

M&Aにおける候補企業へのアプローチ方法には、複数の買い手候補先へ同時並行に交渉を進める場合と1社ずつアプローチをする方法があります。

それぞれ自社に合うアプローチ方法を選ぶことでスムーズにM&Aを実施することができます。

これらのアプローチ方法を検討し、スピード感のある対応をできるM&A業者を選定することで、自社の望むM&Aを進めることができるでしょう。

6.M&Aの流れ・スケジュール

M&Aの流れ

内容

期間

M&A仲介会社の選定

M&A仲介会社を選定し、相談を経て買い手候補を探す

2〜3ヶ月

IM/ノンネームの作成

譲受企業にM&Aを検討してもらうために譲渡企業の企業概要を開示する

〜1ヶ月

ロングリストの作成

M&Aによってシナジーが期待できる企業をリストアップ

〜1ヶ月

TOP面談

譲渡企業と譲受企業が顔合わせをして企業理念などの相互理解を深める

1〜2ヶ月

意向表明/基本合意

譲渡対象範囲や金額などの基本条件を合意した段階で締結

2〜3ヶ月

デューデリジェンス

対象会社の財務・法務・人事・システム・環境等を調査する

1〜2ヶ月

SPA/クロージング

M&Aにおける経営権の移転を完了させる最終手続き

1〜2ヶ月

(1)M&A仲介会社の選定

M&Aを検討された段階で、専門家に相談するためにM&A仲介会社の選定を行います。

M&A仲介会社などの専門家に相談する上では、売り手企業との秘密保持契約、仲介契約書の締結を行いご自身の会社情報や資料を提出します。

M&Aを検討していることが漏れてしまうと、社員が自社の経営状況が思わしくないと思い退職してしまう可能性があったり、取引先との交渉が終わってしまうことがあります。

そのため、自社がM&Aの検討や交渉を行っているということを外部に漏洩しないと秘密保持契約締結により約束をする必要があります。

また、仲介会社との間で仲介契約書を締結することで業務範囲や報酬に関する取り決めや禁止事項を守る事を約束します。

ご自身の会社情報を提出していただき、それらの資料や経営者との相談を基に仲介会社はM&A先を選定します。

(2)IM/ノンネームの作成

M&Aでは、譲渡企業が譲受候補企業へ企業概要や譲受することでどのようなメリットがあるのかを検討してもらうためにIMと呼ばれる企業概要書を作成します。

そのほかにも、ノンネームと呼ばれる譲渡会社の名前などを明かさない匿名での情報を記載する資料を提示するケースもあります。

秘密保持契約締結後に締結するIMとは異なり、秘密保持契約締結前に情報を開示するため会社名などを特定できない粒度の情報が記載されます。

以下が、IM(企業概要書)の記載事項例です。

・企業概要(企業情報、事業概要、所在地、資本金など)
・事業内容(取引先の情報、取引の流れなど)
・組織概要(組織図、株式・役員構成、潜在株、従業員構成など)
・財務状況(直近3年程度の損益計算書・賃借対照表など)
・今後の事業企画
・その他(許認可や法規制に関する事項があれば記載)

(3)ロングリストの作成

次に、M&Aの一定の条件を満たした買収・売却候補を集めた企業リストであるロングリストを作成します。

ロングリストは、M&Aによって得られるシナジー、利益、経営面において重要なプロセスになります。

そのため、経営者はM&Aの目的を定めそれに沿って慎重に作成を進める必要があります。

ロングリスト作成時には、自社の利益のみならず相手企業とのシナジーを考慮することが重要と言えます。

具体的には、M&Aを成功させることで経済的にどのようなシナジー効果が得られるのか、双方のノウハウや技術を事業で活かせることができるかなどが挙げられます。

M&A仲介会社が作成したロングリストを確認し、自社と相性が良さそうな企業名を伝える等すると良いでしょう。

(4)TOP面談

次に、譲渡企業と譲受候補企業の経営者など意思決定者同士が最初のコンタクトとしてTOP面談を行います。

TOP面談は、譲渡企業の書面での検討を済ませ前向きに譲受を判断したタイミングで実施され、一度で相互理解しきれなかった場合は複数回実施されることもあります。

TOP面談では、今後PMIをスムーズに進ませシナジー効果を生み出すためにも企業・経営理念や文化などの相性を確認します。

また、IM・ノンネームなどの企業概要や事業内容等に関する疑問点を質問する場として活用してもいいでしょう。

(5)意向表明/基本合意

M&Aでは、最終契約の前に基本事項について譲渡企業と譲受候補企業が合意したことを書面で確認するために意向表明や基本合意を締結します。

意向表明書は譲受候補企業から意思表明文書を提示し、基本合意書は双方が交渉を通して合意文書を結ぶのです。

意思表明や基本合意は、譲受候補企業が譲渡企業へ買収に関する基本条件を提示し交渉を継続すると決定した時点で締結します。

これらを締結することで、スケジュールの明確化や買収価格の上限設定などを図ることができます。

(6)デューデリジェンス

M&Aにおけるデューデリジェンスでは、買収対象企業のリスクを把握し経営統合を図るために、対象会社の概要は価値を詳しく調査します。

対象会社の財務・法務・人事・システム・環境などを詳細に把握し、人財や外部の税理士、弁護士、公認会計士などを含む買収対象企業のリスクも徹底的に調べます。

まず、デューデリジェンスの期間・種類やコストの見積もりを含めた実施方針を決定し、ミーティングを行ったのち実際に調査を始めます。

デューデリジェンスを通じて過去の情報だけでなく、今後の事業計画などの経営情報を分析するのです。

(7)SPA/クロージング

最後に、譲渡企業と譲受企業が株式の譲渡やその他の条件に合意すればSPA・クロージングを行い、最終契約書を締結します。

このクロージングが実行されることでM&Aの手続上フローは完了するのです。

クロージングでは様々な混乱が生じる可能性があるため、契約内容・前提条件やM&Aスキームに応じて準備を行う必要があります。

具体的には、譲渡範囲において譲渡する資産・債権・債務などを企業価値やリスクを考慮した上で細かく決めます。

これらの事項が決定すれば最終譲渡契約であるSPA・クロージングを実行してM&Aの手続きが完了するのです。

7.警備会社のM&A事例

(1)綜合警備保障株式会社と株式会社ケアプラス(異業種)

2018年綜合警備保障株式会社は、株式ケアプラスを子会社化しました。

介護事業に加えて個人・法人の顧客満足度を向上させることで高齢者を対象としたサービス強化を狙います。

(2)セントラル警備保障とユニティガードシステム機械警備事業(同業種)

2015年、セントラル警備保障はユニティガードシステム機械警備事業の全株式を譲受する契約を締結しました。

このM&Aによって、首都圏における機械警備事業の強化を狙います。

(3)セコムとTMJ(異業種)

2017年、M&Aを実施することでセコムはTMJの発行済全普通株式を取得することに成功しました。

セコムは、売り手側の企業が持つノウハウや経験を活かして価値のあるサービスの開発を狙います。

まとめ

警備員の人材不足が問題視されている警備業界では、今後同業種・異業種ともに、より警備員の存在に需要が高まると言えます。

警備会社のM&Aの規模は、大手警備会社と中小警備会社の間で大きく異なるため、売り手側と買い手側双方のアプローチ方法にも変動があります。

今回の記事を参考に、理想のM&Aを進められてください。