EC・ネット通販会社におけるM&Aの売却・買収について!動向やポイントなどを紹介

「EC・ネット通販会社のM&Aはどのような動向にあるの?」
「EC・ネット通販会社がM&Aで高額で売却するにはどのようなことをすればいいの?」

昨今、キャッシュレスの利用比率が増えたことによりEC・ネット通販会社のM&Aも盛んに行われるようになりました。

EC・ネット通販会社におけるM&Aでは、異業種に限らず同業種とのM&Aも少なくありません。

本記事では、EC・ネット通販会社がM&Aを成功させるためのポイントを、昨今の動向、経営者にとってのM&Aのメリットなどと合わせてご紹介します。

1.EC・ネット通販会社のM&A動向

EC・ネット通販業界でM&Aが行われる目的は、越境ECサイトのM&Aの他にキャッシュレスの技術獲得が挙げられます。

昨今では、海外からの購買意欲が向上したことにより各国の通販企業同士のM&Aや越境サイトを目的としたM&Aが実施されるケースが増えています。

また、キャッシュレス決済を導入することが増えたことにより、キャッシュレス技術の獲得を期待したM&Aが行われることも多いです。

ECサイトは自社サイト型とモール型に二分され、自社型サイトは企業独自が運営するサイトで、モール型サイトとは複数のショップが一つに集まって大きなショップを形成します。

自社型ECサイトのように自社で独自ブランドを生産している場合は、独自の仕入れ先や顧客の確保が実現されることで、競合サイトとの差別化を図ることができます。

モール型ECサイトは、特に通販サイトへの出店に発送スピードが求められるなど、事業ノウハウが豊富である点が魅力と言えます。

EC・ネット通販会社のM&Aにおいては、以上のような点がアピールポイントとしてあげられるのです。

また、最近ではECに紐付くSNSのECサイトとSNSアカウントをセットで売却することが主流となっている点にも注目です。

2.経営者にとってのM&Aのメリット

現在M&Aは、主に事業継承などの問題を解決する方法の一つとして注目されており、売り手側・買い手側の企業双方にとってメリットをもたらすと言えます。

EC・ネット通販会社におけるM&Aの具体的なメリットを順にご説明します。

(1)売り手側企業のメリット

M&Aにおける売り手側企業のメリットは主に5つを順にご説明します。

(a)将来の営業利益を確保できる

EC・ネット通販会社でM&Aを実施することの売り手側のメリットは、将来の営業利益を確保できることです。

EC・ネット通販会社の会員数や売上などの目安を検討し、それがよければ良いほどより高額の営業利益を確保することができます。

M&Aでは、土地や建物などの有形資産の他に人材のスキル、技術力、取引先、市場シェアなどの無形資産も評価されます。

特にECサイトは、事業・販売ノウハウも多種多様であるため買い手側のニーズと合う資産を持っていれば、評価は高くなります。

多くの営業利益を確保することができれば、新事業や引退後の生活資金などご自身が望む使い道に充てることが可能です。

(b)サイト運営のための経費を移管できる

EC・ネット通販のM&Aにおける売り手側のメリットは、サイト運営のための経費を移管できることです。

ECサイトやアプリの運営では、バグなどの発生が原因で事業停止にならないように管理する必要があり、それなりのコストがかかってしまいます。

また、優秀なエンジニアを雇用するには経費が嵩みより手間やコストがかかることもあります。

EC・通販会社が廃業してを買い手側に売却・譲渡することでそれらの経費を移管することができます。

(c)社員の雇用が守られる

M&Aを実施することで社員の雇用が守られる点もM&Aにおける売り手側のメリットと言えます。

EC・ネット通販事業を廃業してしまうと社員の雇用は継続されませんが、売却すると社員の雇用は買い手側の会社へ引き継いでもらうことができます。

今まで自社で働いてきた社員の信頼を失わないためにも、M&Aを実施することで廃業を免れることができるのです。

EC・ネット通販会社をM&Aで売却・事業譲渡すると、事業ノウハウや取引先との契約はもちろん社員の雇用も引き継がれるのです。

(d)経営の不安から解放される

EC・ネット通販会社をM&Aで売却することで、経営者は経営の精神的な不安から解放されます。

会社の経営者は、常に会社や従業員のことを考え将来性に不安を抱えている方も多く、精神的なストレスを感じるケースも少なくありません。

M&Aを実施することで、自社を廃業・倒産に追い込まずに経営の不安から解放されることができるのです。

EC・ネット通販会社をM&Aで売却することで、経営者は精神的ストレスを軽減することができるでしょう。

(e)次の事業に集中できる

EC・通販会社をM&Aで売却・事業譲渡することで、他の事業を検討されている方はそちらに集中することができます。

M&Aを実施すると将来の営業利益を手にすることができるため、他の事業にその経営資源を投入することができるのです。

また、事業譲渡の場合譲渡事業や資産の範囲を買い手側との交渉の中で決められる点もメリットと言えます。

現在持っている自社の他に、次の事業に集中したいと考えている方はM&Aの利用によって実現することができるでしょう。

(2)買い手側企業のメリット

M&Aにおける買い手側企業のメリットは主に4つあります。
順にご説明します。

(a)サイト構築の時間・コストを削減できる

EC・ネット通販会社のM&Aにおける買い手側のメリットは、サイト構築の時間・コストを削減できることです。

ECサイトの構築には、優秀なエンジニアが必要になることやシステムを作り上げるのにコストや時間を費やさなければなりません。

M&Aを実施すると、エンジニアなどの人材も売り手側から引き継ぐことができます。

既存のEC・ネット通販会社を売却・事業譲受することで、コスト・時間をかけずにECサイトを立ち上げることができるのです。

EC・ネット通販会社でM&Aを実施すると、サイト構築をゼロから始める必要がなく時間・コストを削減できます。

(b) 事業を内製化できる

EC・ネット通販会社におけるM&Aの売り手側のメリットは、EC業界にリスクなく参入し事業を内製化できる点です。

EC業界はインターネットの活用が必須であるため、トラブルが発生することも少なくありません。

M&Aの実施によって、既存のEC・ネット通販会社を買収・事業譲受することでEC業界へ安全に参入できます。

買い手側は、自社にとって必要な事業を内製化することで人材や事業ノウハウをも取り入れることができるでしょう。

(c)人材不足を解消できる

EC・ネット通販会社においてM&Aを実施することで、買い手側は人材不足を解消することができるでしょう。

特に同業種の場合、ECサイトの構築などに必要な優秀なエンジニアの人材不足は痛手になり得ます。

既存のEC・ネット通販会社を売却・事業譲受することで、人材不足を解消できるだけでなくノウハウ・スキルを持つエンジニアを得ることができます。

このように、買い手企業にとってM&Aは人材不足を解消できるという点でメリットをもたらすのです。

(d)シナジー効果が期待できる

EC・ネット通販会社でM&Aを実施することで、買い手側はシナジー効果を期待することができます。

売り手側のEC・ネット通販会社は今までの実績などがあるため、自社製品に強みがある買い手側は企業を買収することで販売チャンネルを拡大して収益向上を期待できます。

他にも、昨今ではECに紐付くSNSのECサイトとSNSアカウントをセットで売却することが主流となっているため、あわせて買取ることでシナジー効果が生まれるでしょう。

EC・ネット通販会社をM&Aで買収・事業譲受することで、シナジー効果を期待できるのです。

3.EC・ネット通販会社のM&Aの相場

EC・通販会社のM&Aにおける売却金額は、事業規模や事業の将来性などによって変動するため一概に相場を断言することはできません。

ただし、多くの場合はサイトの売上 – 原価と販売管理費 = 営業利益2〜3年分(相場)がEC・ネット通販会社のM&Aの相場と言われています。

M&Aの対象となる事業や株式の将来性が見込める場合は、営業利益の年数が加算される場合もあります。

M&Aでは、売り手側と買い手側の交渉によって相場は変動するため、いかに強みをアピールするかが重要となるのです。

4.EC・ネット通販会社がM&Aで高値で売却するためのポイント

EC・ネット通販会社がM&Aを利用して、自社をより高い金額で売却するためには主に6つのポイントを意識するといいでしょう。

順にご紹介します。

(1)法務論点を未然に潰す

より高値で自社を売却・譲渡するためには、未然に法務論点を潰すことが重要と言えます。

M&Aでは、デューデリジェンスと呼ばれる売り手側から提示される資料や情報に誤りがないかを調べる目的の買収監査が行われます。

このデューデリジェンスの中には法務の面でも実施されるため、懸念事項があった場合は買収価格を調整されます。

例えば、内部に関して社員に対する残業代の未払いなどがM&A実施後に発覚した場合、自社の企業価値は大きく損なわれてしまいます。

企業価値が失われて低価格での売却にならないためにも、法務論点を未然に確認し対策を講じることを推奨します。

(2)ECサイトのUI・UXを高める

EC・ネット通販会社のM&Aにおいてより高額で売却するためには、自社ECサイトのUI・UXを高めることが重要となります。

将来性の見込めるECサイトを構成する上で、ユーザーが魅力に思うデザインや利用しやすく質の高いサービスを考慮することを推奨します。

特にEC・ネット通販会社の企業価値は、サイトの質によって変動するためUI・UXを高めることで自ずと売却・譲渡金額も高まります。

EC・ネット通販会社におけるM&Aを成功させより高値で自社を売るためには、自社のECサイトを整えることが挙げられるでしょう。

(3)キーパーソンの離脱を防ぐ

EC・ネット通販会社をM&Aでより高値で売るためには、自社からキーパーソンが離脱するのを避けることが賢明です。

自社が持つ他社にはない技術、ノウハウ、ブランドなどを買い手側に知ってもらう上でキーパーソンは欠かせません。

例えば、M&Aにより売却・事業譲渡を実施した場合EC・ネット通販会社における自社のECサイトを制作したエンジニアなども引き継がれます。

このような会社におけるキーパーソンが離脱してしまえば、企業価値が損なわれ売却・譲渡金額も低くなってしまいます。

より高値で自社を売るためには、これらのキーパーソンが離脱してしまわないよう工夫することが大切です。

(4)収益予測値を検討する

EC・ネット通販会社がM&Aにおいてより高い金額で売却するためには、収益予測値を検討することを推奨します。

客観的なデータとして収益予測値を算出することで、買い手側は将来性を明確に提示することができるでしょう。

例えば、自社が今まで取引してきた顧客リストをまとめると安定した収益を期待できると言えます。

買い手側にとってわかりやすいように収益予測値を検討することで、より高値で自社をうることができます。

(5)買い手企業とのシナジーを検討する

EC・ネット通販会社におけるM&Aの買い手側の目的の一つに、自社のシナジー効果の期待が挙げられます。

例えば、売り手側が豊富な経営資源を持っていて収益増加などが見込めると判断されると、より高い金額で買い手側が買収・事業譲受してくれるでしょう。

そのため、売り手側は自社のアピールポイントとして買い手側が買収することでコスト削減やECサイトの譲渡などが可能であることを伝えましょう。

このように買い手企業とのシナジー効果を検討することで、EC・ネット通販会社のM&Aを成功させることができます。

(6)KPIの把握と改善案を洗い出す

EC・ネット通販会社におけるM&Aで高額な売却を成功させるためには、各KPIの把握と改善案を洗い出すことを推奨します。

KPIは、正確かつ簡潔にビジネスがゴールに向かっているかどうかを判定する上での評価指標であるため、企業において非常に重要なものです。

客観的なデータを分析し改善点などを洗い出して対策を講じることで、企業が戦略的な決定をできると言えます。

例えばEC・ネット通販会社の場合、ネット通販上でどれだけの顧客が商品をかごにいれ買い物をしたのかやしていなかった場合の解決策などを、仮説をもとに考えます。

このように、自社のKPIの把握だけでなく改善点を洗い出すことで、実際のM&A交渉の際に買い手側のリスクを軽減させることができるのです。

5.M&A業者を選定するポイント

EC・ネット通販会社におけるM&Aをスムーズに成功させるためには、自社にとって適切なM&A業者を選定する必要があります。

自社のニーズに合ったM&A業者を選ぶにはどのようなポイントを確認するといいのかを順にご紹介します。

(1)同業種で実績があるか確認する

EC・ネット通販会社におけるM&Aを成功させるための業者の選定方法として、同業種・同規模での実績があるかどうかを確認することが重要です。

M&A業者は、様々な業種の会社を相手とするため単に実績が多いことがいいというわけではありません。

例えば、記事上述のようにEC・ネット通販会社の場合他の業種とは異なるアピールポイントや高額で売るための工夫などがあります。

また、M&Aの規模もそれぞれの案件で異なるため、同規模でM&Aの実績がある業者に依頼することでスムーズにM&Aを進めることができるでしょう。

EC・ネット通販会社でM&Aを成功させるためには、同業種・同規模での実績がある業者に依頼することを推奨します。

(2)仲介以外の業務領域を支援してもらえるか確認する

自社のニーズにあったM&A業者を選定するポイントとして、仲介以外の業務を支援してもらえるかどうかを確認することが挙げられます。

基本的にM&A業者の業務は仲介であるため、それ以外の業務を支援する義務はありません。

しかし、M&Aには価格算定や自社の企業価値を上げるための対策を練るなどの知識を必要とする場面も多いです。

そのため、仲介以外に売り手側へ高値で売却するためのアドバイスや株価算定といった業務の支援、買い手側へ価値評価の助言を行うことなどの支援があるかどうかを選定の軸に置くといいかもしれません。

仲介以外の業務領域を支援してもらえる業者にM&Aを依頼することで、自社に希望に沿ったM&Aを成功させることができるでしょう。

(3)費用体系を確認する

EC・ネット通販会社でのM&Aを業者に依頼する場合は、費用体系を確認するといいでしょう。

M&A業者によって、着手金が無料であったり、成功報酬のみであったり、月額報酬であったりと費用体系は様々です。

分類

M&A業者の報酬体系例

着手金

・業者へ正式な依頼を行った時点で支払う
・着手金相場:0〜300万円程度

中間金

・一般的に基本合意書の締結時に支払う
・中間金相場:固定報酬の場合、成功報酬の10〜30%の場合

成功報酬

・M&Aの最終契約締結時に支払う
・成功報酬相場:売買契約の1〜5%(レーマン方式*)

月額報酬
(リテイナーフィー)

・毎月定額で支払う
・月額報酬相場:0〜100万円程度

*レーマン方式とは、買収価格のレンジによって手数料率が変動する計算方法を指します。

以下が、一般的なレーマン方式による手数料率です。

  • 5億円まで ・・・5%
  • 5〜10億円まで ・・・4%
  • 10〜50億円まで ・・・3%
  • 50〜100億円まで ・・・2%
  • 100億円超 ・・・1%

なお、ユニヴィスでは上述のレーマン方式を採用しており、最低報酬金額の設定はありません。

同業他社が最低報酬金額の設定を行っており、売却金額によっては手数料が高いと感じられるケースもありますが、ユニヴィスではそういった最低報酬金額の設定が無いため、単純な売却金額に対する比率のみで進めることが可能です。

また、報酬金額はご依頼者様の案件の内容に応じて相談を実施させていただいております。

自社にとってどのような費用体系が最適かどうかを判断し、それに合ったM&A業者に依頼することをおすすめします。

6.M&Aの流れ・スケジュール

M&Aの流れ

内容

期間

M&A仲介会社の選定

M&A仲介会社を選定し、相談を経て買い手候補を探す

2〜3ヶ月

IM/ノンネームの作成

譲受企業にM&Aを検討してもらうために譲渡企業の企業概要を開示する

〜1ヶ月

ロングリストの作成

M&Aによってシナジーが期待できる企業をリストアップ

〜1ヶ月

TOP面談

譲渡企業と譲受企業が顔合わせをして企業理念などの相互理解を深める

1〜2ヶ月

意向表明/基本合意

譲渡対象範囲や金額などの基本条件を合意した段階で締結

2〜3ヶ月

デューデリジェンス

対象会社の財務・法務・人事・システム・環境等を調査する

1〜2ヶ月

SPA/クロージング

M&Aにおける経営権の移転を完了させる最終手続き

1〜2ヶ月

(1)M&A仲介会社の選定

M&Aを検討された段階で、専門家に相談するためにM&A仲介会社の選定を行います。

M&A仲介会社などの専門家に相談する上では、売り手企業との秘密保持契約、仲介契約書の締結を行いご自身の会社情報や資料を提出します。

M&Aを検討していることが漏れてしまうと、社員が自社の経営状況が思わしくないと思い退職してしまう可能性があったり、取引先との交渉が終わってしまうことがあります。

そのため、自社がM&Aの検討や交渉を行っているということを外部に漏洩しないと秘密保持契約締結により約束をする必要があります。

また、仲介会社との間で仲介契約書を締結することで業務範囲や報酬に関する取り決めや禁止事項を守る事を約束します。

ご自身の会社情報を提出していただき、それらの資料や経営者との相談を基に仲介会社はM&A先を選定します。

(2)IM/ノンネームの作成

M&Aでは、譲渡企業が譲受候補企業へ企業概要や譲受することでどのようなメリットがあるのかを検討してもらうためにIMと呼ばれる企業概要書を作成します。

そのほかにも、ノンネームと呼ばれる譲渡会社の名前などを明かさない匿名での情報を記載する資料を提示するケースもあります。

秘密保持契約締結後に締結するIMとは異なり、秘密保持契約締結前に情報を開示するため会社名などを特定できない粒度の情報が記載されます。

以下が、IM(企業概要書)の記載事項例です。

・企業概要(企業情報、事業概要、所在地、資本金など)
・事業内容(取引先の情報、取引の流れなど)
・組織概要(組織図、株式・役員構成、潜在株、従業員構成など)
・財務状況(直近3年程度の損益計算書・賃借対照表など)
・今後の事業企画
・その他(許認可や法規制に関する事項があれば記載)

(3)ロングリストの作成

次に、M&Aの一定の条件を満たした買収・売却候補を集めた企業リストであるロングリストを作成します。

ロングリストは、M&Aによって得られるシナジー、利益、経営面において重要なプロセスになります。

そのため、経営者はM&Aの目的を定めそれに沿って慎重に作成を進める必要があります。

ロングリスト作成時には、自社の利益のみならず相手企業とのシナジーを考慮することが重要と言えます。

具体的には、M&Aを成功させることで経済的にどのようなシナジー効果が得られるのか、双方のノウハウや技術を事業で活かせることができるかなどが挙げられます。

M&A仲介会社が作成したロングリストを確認し、自社と相性が良さそうな企業名を伝える等すると良いでしょう。

(4)TOP面談

次に、譲渡企業と譲受候補企業の経営者など意思決定者同士が最初のコンタクトとしてTOP面談を行います。

TOP面談は、譲渡企業の書面での検討を済ませ前向きに譲受を判断したタイミングで実施され、一度で相互理解しきれなかった場合は複数回実施されることもあります。

TOP面談では、今後PMIをスムーズに進ませシナジー効果を生み出すためにも企業・経営理念や文化などの相性を確認します。

また、IM・ノンネームなどの企業概要や事業内容等に関する疑問点を質問する場として活用してもいいでしょう。

(5)意向表明/基本合意

M&Aでは、最終契約の前に基本事項について譲渡企業と譲受候補企業が合意したことを書面で確認するために意向表明や基本合意を締結します。

意向表明書は譲受候補企業から意思表明文書を提示し、基本合意書は双方が交渉を通して合意文書を結ぶのです。

意思表明や基本合意は、譲受候補企業が譲渡企業へ買収に関する基本条件を提示し交渉を継続すると決定した時点で締結します。

これらを締結することで、スケジュールの明確化や買収価格の上限設定などを図ることができます。

(6)デューデリジェンス

M&Aにおけるデューデリジェンスでは、買収対象企業のリスクを把握し経営統合を図るために、対象会社の概要は価値を詳しく調査します。

対象会社の財務・法務・人事・システム・環境などを詳細に把握し、人財や外部の税理士、弁護士、公認会計士などを含む買収対象企業のリスクも徹底的に調べます。

まず、デューデリジェンスの期間・種類やコストの見積もりを含めた実施方針を決定し、ミーティングを行ったのち実際に調査を始めます。

デューデリジェンスを通じて過去の情報だけでなく、今後の事業計画などの経営情報を分析するのです。

(7)SPA/クロージング

最後に、譲渡企業と譲受企業が株式の譲渡やその他の条件に合意すればSPA・クロージングを行い、最終契約書を締結します。

このクロージングが実行されることでM&Aの手続上フローは完了するのです。

クロージングでは様々な混乱が生じる可能性があるため、契約内容・前提条件やM&Aスキームに応じて準備を行う必要があります。

具体的には、譲渡範囲において譲渡する資産・債権・債務などを企業価値やリスクを考慮した上で細かく決めます。

これらの事項が決定すれば最終譲渡契約であるSPA・クロージングを実行してM&Aの手続きが完了するのです。

7.EC・ネット通販会社のM&A事例

(1)ZOZOとZホールディングス

2019年、ZOZOとZホールディングスの間で市場成長を期待できるEコマース事業の強化目的のもとM&Aが実施されました。

(2)楽天とFablic

2016年、楽天はEC領域におけるC2C事業の拡大を目的にフリマアプリのFablicを買収しました。

(3)小田急電鉄と白鳩

2018年、小田急はEC事業を拡大するために白鳩とM&Aを実施し、ノウハウの共有や東アジアを中心として越境EC事業の成長を目指すとしました。

まとめ

EC・ネット通販におけるM&Aでは、自社独自のブランドや強みが買い手側と売り手側の間でシナジー効果を生むかどうかが重要となります。

また、自身が望む費用体系や要望でM&Aを進めるためには、自社のニーズに合ったM&A業者を選定する必要があります。

M&Aの最終契約を締結するまでに自社の企業価値を向上させるためにできることもご紹介しました。

今回の記事を参考に、理想のM&Aを進められてください。