株価算定の料金相場はどのくらい?外注先を選ぶときの4つのポイント

株価算定

「株価算定を外注するときの相場はどのくらいなのか」
「株価算定の外注先はどうやって選べばよいのか」

株価算定の外注を依頼しようと考えている方の中には、どのくらいの費用がかかるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、株価算定の料金相場や主な依頼先、外注先を決めるポイント等について紹介します。

この記事を読めば、自社に適した外注先を選べるようになるので、最後までチェックしてみてください。

なお、株価算定について知りたい方は、以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。

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1.株価算定の料金相場

株価算定の料金相場

株価算定の料金相場は、対象企業の規模によって大きく変動します。

中小企業であれば20万円以上、大企業であれば200万円以上はかかることが多いです。

企業規模が大きくなるほど、株価を評価する際にさまざまな項目を考慮しなければならないので高くなる傾向があります。

また、依頼先の機関によっても料金に差が生まれ、機関の規模が大きくなれば、料金も高額になるでしょう。

株価算定の依頼をすると発生する費用は高額になるので、予算と相談しながら依頼先を検討することが大切です。

2.株価算定の主な依頼先

株価算定の主な依頼先

株価算定を依頼できる機関はいくつかあります。

主な株価算定の依頼先は以下のとおりです。

  1. コンサルティング会社
  2. 公認会計士
  3. 金融機関

どこに依頼すればよいか分からない方は、これらの内から選びましょう。

(1)コンサルティング会社

会社経営に関するコンサルティング会社に依頼するのが一般的です。

コンサルティング会社は、株価算定の目的である事業承継やM&A、ストックオプションの発行について熟知しており、目的に応じて適切な方法で株価を評価してくれます。

インカムアプローチやマーケットアプローチなど、さまざまな株価算定方法がありますが、コンサルティング会社は方法ごとのメリット・デメリットを把握し、目的に応じた算定を行うことが可能です。

ただ株価算定をするだけでなく、何のために実施するのかといった目的を抑えた算定を依頼できるため、より精度の高い評価をしてくれるでしょう。

(2)公認会計士

株価算定を公認会計士に依頼するのも選択肢の一つです。

公認会計士事務所やフリーランスの公認会計士に依頼することで、より費用を抑えた形で株価算定を依頼することができます。

専門のコンサルティング会社の情報量には劣るかもしれませんが、スコープを絞れば十分詳細な算定結果を得られるため、公認会計士に依頼するのもよいでしょう。

(3)金融機関

目的によっては、金融機関に株価算定を依頼することが可能です。

昨今では、事業承継やM&Aが活発になっており、新たなサービスとして株価算定を請け負う金融機関も登場しています。

コンサルティング会社や公認会計士に比べると、まだサービスとして定着していないため、依頼できない金融機関も多いですが、上場支援業務として株価算定をしている銀行も増えているのです。

提携している金融機関が株価算定を行っている場合は相談するのもよいでしょう。

3.株価算定の外注先を決めるときの3つのポイント

株価算定の外注先を決めるときの3つのポイント

株価算定の外注先を決めるときは、いくつかのポイントに着目することが大切です。

以下のポイントを意識して外注先を決めることをおすすめします。

  1. 見積もり時に料金が明確になっているか
  2. 目的に合った株価算定ができるか
  3. 自社業界の知見・実績があるか

依頼先選びで失敗しないためにも、これらのポイントに注意してみましょう。

(1)見積もり時に料金が明確になっているか

株価算定の外注先を選ぶときに、まず気をつけるべきポイントは、見積もり結果に料金が明確に示されているかです。

一般的な相場として中小企業は最低でも20万円以上、大企業は200万円程度と紹介しましたが、これらの価格はあくまで目安であり、平均に過ぎません。

また、株価算定の目的や方法によっては、料金が変動することがあります。

そのため、株価算定を依頼するときは、事前に見積もりをしてもらうのが一般的です。

見積書を受け取ったら、料金が項目ごとにはっきり明記されているか確認しましょう。

もし最安値のみの記載で、料金を追加請求される可能性がある場合は、具体的に説明を求めるか他の信頼できる機関に依頼しましょう。

(2)目的に合った株価算定ができるか

目的に合った株価算定をしてもらえるか着目することも大切です。

株価算定には、主に以下のような3つの算定方法があります。

  1. インカムアプローチ
  2. マーケットアプローチ
  3. ネットアセットアプローチ

また、その方法の中にも3~4つの手法があるため、株価算定をするには10以上の方法の中から手法を選ばなければなりません。

各手法ごとにメリット・デメリットがあり、株価算定の目的によって向き不向きがあります。

株価算定の目的を満たす方法を選択しなければならないのですが、機関によっては対応していない手法もあるでしょう。

したがって、最初の相談時に株価算定の目的を伝え、適切な方法で株価を評価できるか確認することが大切です。

株価算定の目的に対し、予算やスケジュールに応じて最適なプランを提案してくれる依頼先を選ぶのが良いでしょう。

株価算定の方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。

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(3)自社業界の知見・実績があるか

自社業界の知見や実績があるか確認することもポイントです。

知見や実績がある場合、監査法人や税務署等から指摘を受けた際に、適切な根拠をもとに説明をしてくれるので、非常に頼りになります。

また、実績があるほどノウハウを持っており、株価算定後の対応まで考慮してくれるので、スムーズに取引を実行することが可能です。

自社業界に対して親身になってくれる人は、丁寧な対応が期待でき、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

4.株価算定が必要な場面

株価算定が必要な場面

株価算定が必要な場面はいくつかあります。

たとえば、以下のシチュエーションで株価算定をしなければなりません。

  1. 株式の発行価額を決定するとき
  2. 会社合併における合併比率を決定するとき
  3. 自社株式の買取価格を決定するとき
  4. 事業承継での譲渡額を決定するとき

これらのケースに該当する場合は株価算定が必要となるため、どのタイミングで必要なのか分からない方は参考にしてみてください。

(1)株式の発行価額を決定するとき

株式の発行価額を決めるときに株価算定が必要です。

たとえば、処遇改善のためにストックオプションを発行したり、ベンチャーキャピタルや投資家から出資を受けたりするときは、発行株式の価額を決める必要があります。

上場企業の場合は、多数の利害関係人の意思が反映されている市場価格がベースになりますが、非上場企業の場合は、客観的な評価を簡単に確認することができません。

そのため、非上場企業は、自社の保有している純資産やキャッシュフロー、将来の予想利益、類似企業の取引事例など、様々な観点から株式の価値を評価することになります。

新株予約権の発行等を考慮している方は、株価算定の準備をしておきましょう。

(2)会社合併における合併比率を決定するとき

会社合併時の合併比率を決めるときに行われることが多いです。

M&Aなどにより、消滅する側の会社の既存株主に合併後の株式が割り当てられるのですが、合併前に所持していた株式の価値と合併後の株式の価値にずれが生じることがあります。

たとえば、合併前の会社の株主が10の価値がある株式を10個を保有しており、合併後の会社の株式を同じく10個割り当てられたとしましょう。

このとき、合併後の株式の価値が5になっていた場合は、5×10=50の価値の株式を失ったことになります。

これではトラブルに発展するため、合併後に5の価値の株式を20個割り振ることで、調整することになるのです。

しかし、この調整をするためには、合併される側とする側の株価が明らかになっている必要があります。

そこで、M&A等で会社合併が行われる際に、株価算定をする必要があるのです。

株価算定によって両者の株価が算出されれば、合併比率を出して株式の数を調整することができます。

(3)自社株式の買取価格を決定するとき

自社株式の買取価格を決定するときにも株価算定が行われます。

非上場企業で自社株式を保有している従業員や少数株主がいる場合、自社株式を買い取るたびに、株価算定をしなければなりません。

上場企業の場合は、市場に出回っている株価で取引されますが、非上場企業は客観的な株価が分からないようになっています。

従業員や少数株主から自社株式の買取を行う際は、株価算定を行いましょう。

(4)事業承継での譲渡額を決定するとき

事業承継で譲渡額を決めるときも株価算定が必要です。

自社株式も承継される一部に含まれるので、株価算定で譲渡額を明確にしなければなりません。

事業承継時の株価算定は、同族かどうかで方法が異なります。

同族株主であれば原則的評価方式、それ以外であれば特例的評価方式を用いることになるので、承継者によって算定方法が変わる点に注意しましょう。

なお、原則的評価方式と特例的評価方式は以下のとおりです。

原則的評価方式:従業員数、総資産価額および売上高によって大会社、中会社、小会社の3つの区分で分け、原則的に区分ごとに適切な方法で評価する方式

特例的評価方式:株式の発行会社の規模にかかわらず、配当還元方式で評価する方式

5.株価算定を依頼する流れ

株価算定を依頼する流れ

株価算定を依頼するときの流れについて説明します。

依頼先によって異なる場合はありますが、主な流れは以下のとおりです。

  1. 問い合わせ
  2. 見積もり
  3. 契約
  4. 必要書類・資料の提出
  5. 算定方法の決定
  6. 株価の算定
  7. 算定結果の報告

まずは、依頼を検討している機関に問い合わせて見積もりをしてもらいます。

見積もり結果や担当者の対応等を考慮して、納得がいく場合に契約をしましょう。

契約後は、必要書類の提出を求められるので、一式を揃えて担当者に渡します。

必要な書類は以下のとおりです。

  • 財務諸表
  • 勘定内訳書
  • 税務申告書
  • 事業計画書
  • 商業登記簿謄本
  • 会社案内
  • 株主リスト

算定方法によって提出書類が異なることがあるため、そのときは指示に従って対応しましょう。

書類を揃えるだけでも時間と手間がかかるので、余裕を持って行動することをおすすめします。

必要書類の提出が終わったら、あとは株価の算定結果を待ちましょう。

まとめ

株価算定を依頼する場合は、依頼先を吟味することが大切です。

機関によっては料金が明記されていない場合があるので、事前に見積もりをとってもらい、詳細に費用項目が記載されているか確認しましょう。

非上場企業であれば、株価算定が必要な場面が訪れる可能性が高いので、外注の流れを把握してしっかり準備しておくことをおすすめします。

ユニヴィスグループでは様々な業界・業種の企業を対象に、大小規模様々な会社の株価算定を行ってきました。

Big4出身の公認会計士を中心とした経験豊富なメンバーが対応しますので、株価算定の依頼先を検討中の場合はお気軽に弊社までお問い合わせください。