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CASE

株式会社XENOZ 代表取締役友利様・金濱様インタビュー

クライアント企業様
株式会社XENOZ
友利様・金濱様
サポート企業
株式会社ユニヴィスコンサルティング
代表取締役渡邉・濱田
株式会社XENOZは、プロesportsチーム「SCARZ」の運営などを中心にeスポーツシーンの様々な分野で活動中。 国内有数の大型チームとして数多くの部門を有し、国内・海外の大会で実績を残している。
01
創業のきっかけは「若い子に夢を叶えてほしい」という思い
濱田
早速ですが、創業の経緯とこれまでの沿革について教えてください。
友利様
創業の経緯としては、アマチュアチームとして活動している時があって、2015年~2016年あたりぐらいからeスポーツのリーグも始まりました。
徐々にスポンサーもつき始め、会社としてやっていこうという意思が芽生え始めて創業しました。

また、若い子に夢を叶えてほしいという思いがあったことも大きな理由でした。
濱田
実際、これまで数年間経営されていらっしゃる中で苦労されたことをお伺いできますでしょうか。
友利様
お金の部分も含め、これまで苦労してきたことはありました。
選手たちのマネジメントや給与の面では特に苦労を感じてきた部分です。
渡邉
最初はどんなメンバー構成でスタートしましたか。
友利様
当時の運営は私一人だけでした。選手やマネージャーもいましたが、スポンサー探しや税務処理などもすべて私がしていました。そういう点も含めて、創業後の3~4年は苦労しました。
濱田
元々オフィスはどういったところからスタートされましたか。
友利様
当初はゲーミングハウス兼オフィスといった状態からスタートしています。
02
チームが成長する上で、会社としても成長していかなければならない
濱田
最初のスポンサーを獲得するまでかなり大変であったようですが、どんな風に開拓されましたか。
友利様
「私たちはプロゲーマーです」と相手に伝えたところで、「何それ?」という印象はありましたので、「ゲームとは何か?」という説明から行いつつ、相手と商談を重ねていました。
海外でブームが起こってから日本でも将来的にゲームに熱中する若者世代が新たに生まれてきて、そういった一連の流行について興味を持ってくださった取引先様もいました。
渡邉
大会で勝って記録をもち、「自分たちはこのように勝って強いから、スポンサーをやっていただきたい」といった流れで先方とコミュニケーションをとっていらっしゃいましたか。
友利様
「強い選手であること」を大会で証明しつつ、「運営や拡大の面で手助けが必要です」と依頼して、これまでスポンサーを開拓してきました。
渡邉
いつ頃から軌道に乗り始めましたか?
友利様
徐々に軌道に乗り始めたと感じたのは、つい最近の2年前のことです。
4名で運営を回す中、オフィスを構えて、今後どうしていくかという初期の段階は、ビジネスサイドよりゲーマーの出身者がほとんどだったため、ビジネスというより、感覚はゲーム作りに近かったです。

ただ、私たちも意識をよりビジネスに転換していかなければならないと思い、僕自身も少しずつ厳しさを追求するようになりました。
チームが成長する上で、会社としても成長していかなければという意識が変わったのが2~3年前頃でした。
03
選定の背景は、同じビジョンを持って経営ができるところ
濱田
そういったご苦労もなされて、SCARZさんが日本のeスポーツのトップチームとなっている中で、今回の資本提携をご検討された背景はどういったものでしょうか。
友利様
リーグ側の価値もどんどん上がる一方で、売上の目標やルールが次第に整備されていくだろうと予想も兼ねて検討し始めました。
自分たちだけではまだ少々力不足な点があるため、お力添えいただけるところがないか、と思い始めたことがスタートラインでした。

しかし、その中でも「とりあえずeスポーツは金儲けになるのだろう」というようなところは、相性として良いとはいいがたいと思いました。
ゲームに対する熱量や、こちらの意図が伝わって応援してくださっているという点が感じるかどうかを大事にしていました。
濱田
資本提携をご検討されている中で、複数社から御社にオファーがあったかと思いますが、今回なぜJ.フロント リテイリング(以下、JFR)さんを選ばれたのか、そういった背景もお伺いできればと思っております。
友利様
こちらの意図を大変よく汲んでくださり、大いに信用できると感じたことと、「世界一になってほしい」というJFRさんからいただいた言葉が心に響きました。

世界一になるためには、まずどういう風にしていけばよいかというところも、しっかり考えてくださっていました。
とりあえず出資だけして「あとは頼む」というわけではなく、「二人三脚でやっていきましょう」といった先方の姿勢が大変頼もしく感じました。

また、オンラインで私たちは活動していますが、今後オフラインの場が重要になってくると思い、その点でもやはりJFRグループが魅力的だと感じられました。
濱田
単純に金銭的な条件でなくて、同じビジョンを持って経営ができていくところが、選定の背景であったというところですね。
実際に今回M&Aを進めていただいた中で、ご苦労された点などをぜひお伺いさせていただけますでしょうか。
金濱様
いろいろありますが、今回のM&Aは社長にとって、創業以来で一番の大きな意思決定だと思っていました。
ですので、M&Aの検討を進めていく上で、これまでチームがやってきたことや、目指してきたことを変えずして一緒になれる企業様とのご縁を追求することが一番重要だと思いました。

そのためにも、自分たちも世界一というビジョンを持っているということを伝えて、それを事業計画に落とし、その文脈で説明をしていくことが必要でした。
eスポーツ業界は賞金や選手の報酬も世界的に上がっており、選手の獲得もグローバル競争になっているので、ボラティリティーが高い事業なのですが、それを事業計画に落とし込む点が大変な点でした。

将来に向けた議論を他の役員とも行いましたが、将来に向けて必要なプロセスだったと思います。
濱田
かなりご苦労があったかと思いますが、元々作成されていた事業計画に加えて、JFRさんと一緒になった時の事業計画というところも作成されている中、やっぱり一緒になった時にどういう未来が描けていけるのかというところ、資本提携の前の段階から検討することができたというところは一つ大きな点であったのかなという風に思います。
その中で、今回資本提携を実行されてまだ日が浅いかとは思いますが、実際今、共にJFRさんと行っていることや、提携して良かったと思うようなところがあれば、是非お伺いできればと思います。
友利様
まだ日が浅く、これからというところは色々あると思いますが、私たちの規模ではなかなか体験できないことが多く、刺激をいただいています。

大変なところもありますが、こういう機会がなければできないこともあり、また今まで私たちが間違っていた部分を正してくれているようなこともあり、大変助かっています。
濱田
組織としてまだ至らぬ点や、そういった点が企業様と一緒になることで改善してきていると感じていらっしゃると思いますが、実際にeスポーツのチームや試合などへの影響は出ていらっしゃいますか。
友利様
いい意味で選手の安心感というものは高まっていると思っています。

例えば、給料に関してもサポート面の待遇に関しても、やはりJFRさんがいることによって、安心感は与えられていると感じ、ポジティブなことだと思います。

どうすれば強いチームを作れるのかという点に関しては、私たちに一任していただき、「こうしなさい、ああしなさい」というようなことは一切言われることはなく、私たちの思うようにやらせていただいています。
濱田
安心感という言葉がございましたが、実際今回、JFRさんとの提携については日経新聞の一面でも取り上げられていらっしゃる中、従業員さんや選手の方々、スポンサーの方々を含め、皆様の反応はいかがでしたか。
友利様
選手は最初はあまり実感が湧いていなかったかもしれません。
だけど、時が経って接点が増えると同時に「おお!」というような感じはありました。

選手にとっては自分の給与が保証されながら活動できているので、「強くなって人気を作る」とモチベーションをあげることもでき、良いサイクルだと思います。
選手陣はSCARZの運営自体がそういう組織であると理解していただき、信頼してくださっているおかげで、まったく否定的な声などもみられません。
金濱様
会社から正式なアナウンスをする少し前に、日経新聞の朝刊一面に取り上げられました。
そのため、ニュースを見たメンバーが本件をどう解釈するか気になっていました。
しかし、所属選手がTwitterで本件をポジティブな論調でツイートしてくれており、私たちのチームが前に進んでいくと解釈してもらえた点を嬉しく感じています。
友利様
ニュースが発表された際には公表しても大丈夫といった認識が広がっていたため、各選手が前向きにとらえて自主的に動いてもらったのだと思います。
濱田
スポンサーの方や、そういった取引先様のご反応はいかがでしたか。
友利様
「今後JFRさんも含めて何かできるのでしょうか」と期待値が高くなった方々もおり、強い興味を示してくださることもありました。
04
コア層を熱狂させながら、社会にeスポーツを広げていく
濱田
今回の提携を元に、今後スカーズがどのように伸びていくのか、どういうところを目指していくのか、改めて友利社長、金濱さんがもつ今後の展望をお伺いできればと思っています。
金濱様
変わらず「世界一を競技で取る」ことに向けてやっていくことです。
また、eスポーツの価値や魅力を広げる活動にも注力していきたいです。
私たちの会社の強みは「eスポーツ」というコアなカルチャーを熟知している元選手の方や元ストリーマーが社員として在籍しており、コアなファンのツボをよく熟知している点です。

一方で、コロナも落ち着き、オフライン大会も増えてきました。テレビでも取り上げられ、eスポーツの熱狂が世の中に広がってきています。eスポーツが世間に浸透していく節目の年が今年と来年ぐらいであろうと考えています。

そういったeスポーツをより世の中に広げていくフェーズにおいては、パルコなどでカルチャーを発信してJFRグループと一緒に取り組んでいきたいと思っています。
友利様
世界を目指すチームを作っていくことは変わらずやっていきたいと思っており、勝てるチームも作っていくという願いや想いも強いです。
それは私たちSCARZにしかできないことと思っており、強化もしていきたいと考えています。
至らない点がまだあるため、体制を整えていくことも検討しています。

今回グループに参加することによって、グループ各社で協力し合って会社を広げていき、グループの中でも「eスポーツはすごい」と思っていただきたいです。
これまでは「自分たちが倒産しなきゃよい」など、最低限なことはありました。
今では自分たちの目標値は高くなり、その頂点を目指していこうというモチベーションがあります。

また、この1年間でM&Aを進めてきた中、私自身もし途中でM&Aのご縁が無くなってしまったら非常に落ち込んでいたと思われます。
JFRのご担当の方々を信じ、改めてM&Aを進めてきてよかったと思いました。
JFRにとっても「M&Aを進めてよかった」と思っていただけるよう、恩返しも込めて今後も続けていきたいと強く思います。
05
仲介で終わりではなく、徹底的なサポートに安心感
濱田
最後となりますが、ユニヴィスがお力になれた点を是非お伺いできますでしょうか。
友利様
ユニヴィスさんがいらっしゃらなければ、M&Aの話はありませんでした。
仲介してくださったことはもちろん、仲介で終わりではなく、私たちを徹底的にサポートしてくださったことが大きかったと思います
もちろん私と金濱だけじゃ無理な話でもありました。

実際会ってみないとわからない、蓋を開けてみないとわからないと思う一方、「紹介だけで終わるのではないか」「どこまでサポートしてもらえるのか」などわからないこともありました。
その点について、安心感のようなものが非常にありました。

社内でM&Aの経験者も財務の経験者もいない中で、ゴールまでの筋道が見えてないスタートでありました。
どんなことが待ち受けてるか見えない中、共に一つ一つのステップをサポートしていただいたという点について、渡邉さんと濱田さんには感謝しています。
渡邉
SCARZさんのチーム運営も行う中で、平行してM&Aでは色々と求められるものあり、それに対応していくことは大変であったと思われますがいかがでしたでしょうか。
友利様
M&Aでは0から1を作り、それを10にしていくというような作業でした。色々と伴走していただいて非常に助かりました。
こちらの状況を理解した上で、進め方など色々と相談にのっていただき、アドバイスもいただけたことは大きかったです。
おそらくユニヴィスさん以外のところにお願いしていたら、M&Aは実現しなかったと思います。
濱田
そう言っていただけると非常にありがたいです。
渡邉
そういっていただけることが何よりも喜ばしいことです。
今後、SCARZさんが世界のトップチームになり、ますますご活躍されることを期待しています。
ありがとうございました。

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