日本プライベートエクイティ株式会社 法田社長インタビュー

事業存続と企業価値向上の実現を目指すバイアウトファンド 日本プライベートエクイティ株式会社

Q. 会社の概要を教えてください。
2000年に設立、「日本アジア投資」と「日本M&Aセンター」の合弁会社としてスタートしました。
その後、日本政策投資銀行も資本参加、中立的なファンドマネジメント会社として活動しており、中小企業に特化したバイアウトファンドとして、「事業承継」に悩むオーナー企業や「事業再編」に伴い分離・独立する子会社等に対して、ファンドを通じた解決策を提供し事業存続と企業価値向上の実現を目指しています。

 

Q.投資に関わるメンバーにはどの様な方がいらっしゃいますか?
基本的にはM&Aや金融に関わってきた人が多く、中小企業の経営に関わりたいという人が集まっています。
「銀行員」「ベンチャーキャピタリスト」「コンサルタント」「会計士」などキャリアは様々です。
またバイアウトファンドは投資をして、経営に関わり、企業価値を上げて次の世代に託すという一連の流れを完結させるまで最低でも約5年の月日が必要です。
このプロセスに最初から最後まで一貫して関われることにやりがいを感じ、楽しめるような人が多いです。

志を次の世代に継いでいきたい

Q.バイアウトファンドとして事業承継を始めるきっかけは何ですか?
ベンチャーキャピタルの日本アジア投資の新規事業として、ベンチャー企業ではなく普通の中小企業の資本に関わる「お手伝い」がファンドとして何か出来ないかと考えていました。
そこからバイアウトファンドとしての事業承継や事業再編を支援する投資を始めるに至りました。

 

Q.企業理念を教えてください。
「志を継いで夢をカタチに。夢を継いで新たな時代へ。」が、私達の考え方の基盤となっています。
つまり、中小企業の創業オーナーが様々な思いを込めて立ち上げ経営してきた、その志を、私達がファンドとして、次の世代に継いでいき、社員の方々と共に夢を実現したいと考えています。

20年にわたる「実績」と「経験」に加え、ニュートラルな立ち位置でお手伝い出来ることが強み

Q.同業他社さんと比較して貴社の強みを教えてください。
バイアウトファンドとしての歴史は永く、2000年の設立から約20年にわたる実績や経験は1番の強みです。
20年の間にはリーマンショックや東日本大震災もあり、様々な危機を投資先と共に乗り越えてきたというのは、かけがえのない経験です。
実績としては、これまでに30社の中小企業の株式を譲り受け、事業承継問題の解決と企業価値向上のお手伝いをし、そのうち21社は既に卒業しています。
また、銀行系でも証券系でもない、色のついていない中立的な立場で意思決定や経営のお手伝いが出来るところも強みです。

変えるべきものは変える、変えるべきでないものは変えないという見極めが大事

Q.投資後の投資先へのサポートや運営はどのようにされていますか?
私達の考え方として、なんでもかんでも変えるのではなくて「見極め」るということを意識しています。
変えるべきところは変えて、変えなくてもいいところは変えずに強く、あるいは営業や人材など足りない部分は我々が補って足していくという考え方で関わっています。
基本的には、弊社の担当者がメインで1名、サブで1名つく形でサポートを行っています。

 

Q.実際に投資先へ足を運ぶ頻度はどのくらいですか?
投資してから最初の3ヵ月は「100日プラン」の実行にあたり、かなり行き来を繰り返し、新しい経営と株主、組織を馴染ませて軌道に乗せたら、その後は月に最低2~3回程度のペースで行き来をするといったパターンが基本です。

付加価値のあるモノやサービスを提供しているか、なくてはならない事業なのか。

Q.投資をする際に企業を決めるポイントを教えてください。

投資をする際のポイントとして、定量的には「収益性」と「安定性」です。
私達は”再生”ファンドでもなければ”ベンチャー”ファンドでもないので、ある程度の収益力があり、付加価値の高いモノやサービスを提供している会社かどうかを重視します。
定性的には「Necessary(ネセサリー)」です。
誰かに必要とされている会社か、なくてはならない事業なのかどうか?を投資を検討する際のポイントとしています。

投資先企業には、マーケットから必要とされ、安定して事業を続けている企業が多くあります。

Q.現在はどのような投資先が多いですか?
業種は様々ですが、共通しているのは、事業承継に悩まれているオーナー企業で基本的にはしっかりした事業基盤を持っていて、やり方次第でまだまだ成長の余地がある中小企業ということです。
業歴でいうと30年、50年、80年という歴史のある会社が多く、それだけマーケットから必要とされ続けている会社だと言えます。

 

Q.最近の実績として投資先の一部をご紹介ください。
直近1年でお手伝いした会社は3社ありますが地域も業種も様々です。
1社目はギフトの大型専門店22店舗を東日本でチェーン展開している「株式会社おおつか」です。
本社は福島県郡山市でギフトの店舗販売では日本でも最大規模を誇る、業歴40年の企業で地域に密着したビジネスモデルを確立しています。
2社目の「株式会社アソシエ・インターナショナル」は、創業から28年、認可保育園等の子育て支援施設を26ヶ所、東京都目黒区を中心にドミナント展開しています。
3社目の「米沢精密株式会社」は業歴40年、金型の精密部品や精密ネジなど丸い部品の製造に特化した年商5億の山形県米沢市のメーカーです。
高品質と短納期を堅持しています。
共通点は、企業としての基盤は築き上げられているけれど後継者不在という事業承継の課題を抱え成長戦略の策定や実現は描ききれていないでいるところです。

収益性や安定性に加え、こだわりを持ったサービスを提供していたり匠の技術がある会社に注目しています

Q.現在注目している業界を教えてください。
業種では表現しづらいので、カテゴリーを決めています。
「TAKUMI(匠)」「Manegement(マネジメント)」「Customization(カスタマイゼーション)」という3つのキーワードのどれかにあてはまる事業で、益性や安定性はもちろん、何かこだわりを持ってモノやをサービスを提供していたり匠の技術がある会社に注目しています。
また、色々な意味で管理をしている事業、例えば「空間」「人」「時間」などをマネジメントしている会社も対象としています。

 

Q.貴社から出資を受けるメリットを教えてください。
メリットは大きく分けて2つあり、1つ目はオーナー経営から組織経営に変わっていくことです。
大企業と比べて規模器が小さい中小企業でも、組織経営にする事で永続的に成長できる会社になることができます。
ファンドもずっと株主でいる訳では無いため、ファンドが株主でいる3~5年の間にオープンな会社になり、会社の永い歴史に1つの節目を作るように努めています。
2つ目のメリットは独り立ち出来るように会社を自立させられるということです。
オーナーに言われた通りに動くのではなく、自ら考え責任を持って行動する癖をつけることで誰が株主になっても対等に動ける組織へと自立して貰います。
こうして会社の将来も視野において考え、可能性を広げられるところは事業会社によるM&Aでは出来ない我々ならではの強みだと考えています。

ファンドを活用する事で広がる選択肢が沢山あることをまずは知って頂きたい

Q.貴社からの投資を希望される皆様にメッセージをお願いします。
ファンドと聞いてハゲタカのイメージや会社を乗っ取られるような先入観をお持ちの方もまだ多いと思います。
しかしファンドを活用する事で広がる選択肢や得られるメリットはたくさんあります。
まずは、先入観を捨てて話を聞いてみる、関心を持ってみるところから始めてみて下さい。
そしてM&Aだけではなくファンドの活用など、事業承継の選択肢が沢山ある事に気付き理解し活用して頂きたいです。

 

法田社長、本日はお忙しいところありがとうございました!

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