転職前に知っておくべきM&A実務の流れとは?領域別の仕事内容を解説

「M&A業界に転職したいが、実務のイメージがつかない」
「M&AアドバイザリーとFASで迷っている。具体的に仕事内容の違いがあるの?」

転職先企業の実務についてイメージしておくことは、転職において非常に重要です。

いざ転職してイメージが違うと、やりがいやモチベーションの低下にもつながります。

今回はM&A実務の概要と流れ、領域別の実務について解説します。

最後まで読めば、M&A実務の流れを掴み、転職希望の企業でどんな仕事をするかイメージできるでしょう!

1.M&A実務の概要と流れ

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M&A実務の概要と流れを解説します。

  1. 準備段階
  2. 交渉段階
  3. 最終契約

実際働いてみなければ、実務について不透明な部分がありますよね。

事前にイメージを付けておきましょう。

1つずつ説明します。

(1)準備段階

M&A実務の準備段階では、以下のような実務があります。

  • 買収先のリストの作成
  • 売却元企業がクライアントの場合は、組織統合や体制の見直し

M&Aに向けて、最適な条件で交渉を進めるために、クライアントの立場に応じて体制を整えていきます。

(2)交渉段階

M&A実務の交渉段階では、以下のような実務を行います。

  • 候補企業への打診とNDA(秘密保持契約)の締結
  • トップ面談(経営者同士の顔合わせや質疑応答)
  • 基本合意書の締結
  • DD(デューディリジェンス)

買収候補の企業へM&Aの打診を行い、M&Aに関する情報を公開まで漏らさないという契約を結びます。

また、買い手・売り手双方の企業の経営者が顔合わせする場に立ち合ったり、質疑応答を取りまとめるのも仕事の1つ。

M&Aの話をまとめて、基本合意書の締結も行います。

また、買収先の企業価値を調査・判断するDDも大切な業務の1つです。

(3)最終契約

M&A実務の最終契約段階では、以下のような業務を行います。

  • 最終条件の契約書の作成を行う
  • クロージング・PMI(経営統合)を行う

交渉段階で行ったDDの結果を元に、買収が正しい判断かどうかを意思決定します。

M&Aが決定したら、細目を記載した契約書を作り、最終合意へ。

その際に売却価格や対職金、買収先の企業の役員や従業員の処遇などについても詳細を話し合います。

M&Aがクロージングした後は、経営統合(PMI)の部分まで関与し、M&A後の双方の企業に支障が起きないように調整も必要です。

2.領域別|M&A実務の内容

M&A実務の内容を領域別に解説します。

  1. M&A仲介会社
  2. FAS
  3. M&Aアドバイザリー

1つずつ説明します。

(1)M&A仲介会社

M&A仲介会社は、買い手・売り手双方の間に立って仲介を行う立場です。

企業の選定からクロージングまでを一貫して行います。

#1:相手企業の候補の選定

M&A仲介会社はまず、買収先の企業の候補選定を行います。

一定基準に沿ったロングリストを作成し、さらに絞り込み、最終候補を選定。

お互いに機密事項をやり取りするため、秘密保持契約書を交わすのも業務の1つです。

企業側が開示している自社の情報をまとめて、買収希望の企業経営者へ提案を行います。

#2:バリュエーション

M&A仲介会社で、重要な業務はバリエーションです。

バリエーションとは企業価値評価のことで、財務状態や成長性、上場企業の株価を参考にし、企業価値を算定すること。

M&Aにおける買取価格を決定する作業です。

#3:基本合意書の作成と締結

M&A仲介会社では、基本合意書の作成と締結も行います。

M&A検討段階で作成する基本合意所には、以下のような条項について記載されます。

  • 当事者の了解事項
  • 法的拘束力や契約条件
  • 日程 DDへの協力義務の記載
  • 費用分担や独占交渉権
  • 有効期間管轄・準拠法

TOP会談などを経て、以上の内容を取りまとめた書類を作成するのも、M&A仲介会社の実務です。

#4:デューデリジェンス

デューデリジェンスは、以下の種類に分かれます。

  • 財務DD
  • 法務DD
  • 労務DD
  • ビジネスDD

経営状況を調査して、買収前に企業価値を再度確認し、買収決定が正しいか精査する判断材料になります。

財務・法務・労務・ビジネスと4つのジャンルに分けて精査し、最終判断を行う実務です。

#5:最終契約

最終契約段階では、DA(最終契約書)の作成を行います。

売買合意やクロージングの条件、制約事項や補償内容、解除事項について記載します。

この契約書によってM&Aが成立するため、双方の意向を反映して、最終条件を決定する作業です。

なお、最終契約締結後も、買い手と売り手の企業の経営統合が必要になります。

そのため、買収後の従業員の処遇や風土統合に向けて、戦略を決めて実施するまでがM&A仲介の仕事です。

(2)FAS

FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)では、以下のような実務を行います。

  1. M&A実行への戦略の立案
  2. 買収先の企業調査・DD
  3. PMI

買い手に代わり、買収先の企業調査やM&A統合の支援を行います。

#1:M&A実行への戦略の立案

M&A実行への戦略の提案とは、買い手の立場に立って利益を最大限にするようアドバイスをすることです。

買収によってどのような利益を得られるか、財務面でサポートをする役割。

戦略の立案から策定までを担当します。

#2:買収先の企業調査・DD

買収先の企業を調査し、DDを行うのがFASのメイン実務です。

買い手がクライアントなので、M&Aによって最大限の利益を出すためには、買収先企業の調査は欠かせません。

財務調査や企業価値を判断し、最終的にDDを行い、M&Aの最終決定までアドバイスを行います。

#3:PMI

PMIとは経営統合のことです。

具体的には、経理処理や就業規則、社内システムの取りまとめをします。

人事制度なども統合し、1つの企業として再スタートが切れるように調整する仕事です。

(3)M&Aアドバイザリー

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M&Aアドバイザリーは、M&Aを検討している会社にアドバイスを行う仕事です。

  1. クライアントの依頼に基づくM&A戦略策定
  2. DD
  3. 取引条件の交渉
  4. 取引執行
  5. PMI

実務について1つずつ説明します。

#1:クライアントの依頼に基づくM&A戦略策定

M&Aアドバイザリーは、買収・売却希望の双方の企業がクライアントになる可能性があります。

クライアントの立場に応じて、経営陣へM&A戦略のアドバイスや立案を行うのが仕事です。

買い手がクライアントの場合は、買収先企業の選定も行います。

#2:DD

DD(デューデリジェンス)とは、企業価値の調査のことで、買収監査のことです。

M&Aの最終段階では、DDの結果を見て、買収が適切か判断をします。

公認会計士や弁護士などの専門家に依頼し、契約書や会計帳簿等をチェックし、企業の実態を把握。

最終的にヒアリングを行い、買収先の企業の実態を調査します。

#3:取引条件の交渉

M&Aアドバイザリーでは、取引条件の交渉も行います。

クライアントの立場に応じて、取引先との売買条件の交渉や合意の席に立ち合い、会議の進行・サポートをします。

#4:取引執行

M&Aを行うにあたり、取引を実現させるためのアドバイスを行うのも実務の1つです。

具体的には、買収資金の調達アドバイス、売却希望の企業がクライアントの場合はM&Aに向けて組織統合などを行います。

#5:PMI

最終的にM&Aが合意に至った後の、経営統合もサポートします。

  • 経営面
  • 制度
  • 労務
  • 事業
  • 理念

2つの会社を統合するために必要な分野で、どのように統合作業を行うかのアドバイスを行います。

まとめ

今回はM&A業界の実務について解説しました。

M&A仲介では、買収準備から経営統合まで、一貫してサポートすることが多いです。

FASは、財務面でのアドバイスがメインなので、DDなどの企業価値の精査を主に行います。

M&Aアドバイザリーは、クライアントが買い手か売り手かによって業務内容が変わることがありますが、戦略策定から総合的にM&A支援を行う仕事です。

転職の検討前に実務を把握し、転職後自分が担当する仕事のイメージをつけておきましょう!

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